ウィキペディアが誤った内容がないか確認するツールを開発!ファクトチェックとは?

「ウィキペディアがMetaと連携して出典のAIファクトチェックの開発した」というニュースをEngadgetで見つけました。
インターネットでの検索が主流となった現在、ウィキペディアは信頼できる情報源として馴染み深いものになっています。
今回はこの記事を紹介するとともに、ウィキペディアにおけるファクトチェックの考え方や開発に至った背景などをまとめてみようと思います。

ファクトチェックとは?

ファクトチェックとは、人々が正しい情報を共有できるようにするめに、情報が本当に正しいかどうかを確かめることです。
発信する側が正しいときちんと確かめられた情報を発信すること、発信された情報の真偽を改めて確かめること、受け取る側が情報の信憑性を精査すること、のすべてが大切です。

組織としてのファクトトチェックは、情報公表前と公表後の2段階あります。
公表前のファクトチェックは、情報公開の準備の一環としてほとんどは内部で行われます。
一方、公表後のファクトチェックは、外部の独立した機関により行われファクトチェックの結果がその外部機関のサイトなどに掲載されます。各機関が独自の指標を用いて検証を行うため、ごく稀にですが実行した機関によりファクトチェックの結果が異なることもあります。また、ファクトチェック機関が誤情報であると発表しても、元の情報を信じていた人はその検証結果が間違えであると考えるということも起こりえます。

日本における公表後ファクトチェック

日本において情報公開後のファクトチェック活動を広めるために、認定NPO法人 ファクトチェック・イニシアティブ(FIJ)が2017年6月に発足しました。

これはジャーナリストや専門家などによるファクトチェックの普及活動を行う機関です。
ガイドラインを作成したりセミナーを行ったりすることで、ファクトチェックの大切さを広め、担い手を増やす活動を行っています。
FIJはファクトチェック自体は行っておらず、協力している各メディアや団体が検証した国内外のニュースのファクトチェック結果をまとめてFactCheck Naviにて公表しています。

最終的には情報を受け取る側が、間違った情報や真偽不明な情報に惑わされないようにしなければなりません。
情報の信憑性を判断する際、その情報がファクトチェックされているどうかは重要な判断基準になってきます。

ウィキペディアとは?

私たちがインターネット検索でよく利用しているウィキペディアの概要について説明します。

ウィキペディアの概要

ウィキペディアは自由に文章の編集が行える「ウィキ(Wiki)」というシステムを使用して作られた多言語インターネット上百科事典です。
2001年に英語で開始されましたが、2022年現在310もの言語で記事の執筆や編集が行われています。
非営利団体であるウィキペディア財団が運営していて、執筆や編集はすべてボランティアで行われ、サイトには広告が一切掲載されず資金はすべて寄付で賄われています。

ウィキペディアの体制

ウィキペディアには管理者グループがあり、2022年7月現在日本版には約40名の管理者がいます。
一般的な登録ユーザーや未登録のユーザーは項目の編集しか出来ませんが、管理者は項目を削除したり、荒らし行為があった場合書き込みを禁止できたりします。
また管理者の中には、ビューロクラット・チェックユーザー・オーバーサイトの権限を持っている人もいます。
ビューロクラットは管理者権限を付与でき、チェックユーザーは利用者の個人のアカウントのログなどを調べることができ、オーバーサイトは検索に引っかからないように誹謗中傷が書かれた記事などを削除することが出来ます。
このような組織体制でウィキペディアの治安は守られています。

ウィキペディアの従来のファクトチェック

ウィキペディアにおいてその記事の内容の真偽を確かめるには、「それがどこにどのように書いてあったのか」、記事の本文と出典を照らし合わせる必要があります。

ウィキペディアは基本的に専門家による査読はありません。
不特定多数の利用者が投稿するシステムなので、情報の信頼性・信憑性・公正性は一切保証されていません。
ボランティアの人が出典のダブルチェックを一部行っているものの、記事が増えていくスピードが速く追いついていないのが現状です。
脚注についてガイドラインは公表されていますが、ファクトチェックを行う役目の人が決まっていないため、これまでは、各々のユーザーが経験や良心に基づき編集を行ってきました。

ファクトチェックが行われていなかったにも関わらずウィキペディアに一定の信頼性があったのは、ウィキペディアが誰でも自由に編集が行えるシステムになっていて、また編集を行った人のアカウントが記録に残るからです。
多くの人が関心を持ち、責任を持って記事をブラッシュアップしていくことで、ウィキペディアはネットニュースで引用されるほど世間的に信頼されているサイトになっています。

ウィキペディアのスコットランド版で起こった出来事

2020年にとある衝撃的な事実が判明しました。
なんとスコットランド語のウィキペディアの記事の半分近くを、スコットランド語を話せない10代のアメリカ人の子が投稿していたのです。

12歳から19歳まで8年間かけて、3万弱の記事を書き20万件ほどの編集を行っていたようです。
それらの記事は英語の記事を自動翻訳機にかけて作られたもので、所々スコットランド語の単語が不自然な形で入っています。
スペルミスも多く、またスコットランド語の文法にものっとっていません。

なぜそのような状態の記事が8年間も誰にも指摘されることなく、さらに新しい記事が増え続けてきたのでしょうか?
スコットランド語を話せる人は母国語として約10万人・第二言語として約150万人しかおらず、現在とても少なくなってしまっています。
そのため、スコットランド語のウィキペディアの記事に関心を持って編集や誤りを指摘していく人がいませんでした。
これまでは、多くの世間の目によって高い質が保たれてきましたが、今回その抑止力が機能せず、8年間にわたり質の低い記事が増え続けてしまったのです。

これはファクトチェックを人の善意に頼り、ウィキペディアが機能として持っていなかったことが原因といえます。
そこで、自動的にファクトチェックを行う機能を開発が求められることとなりました。

ウィキメディアがファクトチェックをAI化

このような背景を受けて、ウィキペディアを運営しているウィキメディア財団はfacebookの親会社であるMetaと協力して、AIを導入してファクトチェックを行えるよう開発に取り組んでいます。

ファクトチェックを自動的に行うには、人間同等の言語理解力を持ったAIが必要です。
例えば、Jリーグという単語が盛り込まれていたら、サッカーの話をしていると推察できなければなりません。
記事に書かれている内容を理解し、引用されたウェブサイトから該当箇所を見つけ、その出典が本当に根拠になっているかを予測できるような能力が求められています。

今回その初期モデルのAIの開発が完了し、ウィキペディアのファクトチェックとして実用化されました。
この種の研究でこれまで使われてきたものより一桁大きい1億3400万件ものウェブページを学習データに活用しています。

このAIは、出典が適切かどうかを検証するだけでなく、不適切だった場合適切な出典を提案することも出来ます。
これにより全ページのファクトチェックを定期的に行うことが出来るようなり、ウィキペディアの信憑性がさらに高まるでしょう。

まとめ

ファクトチェックAIの開発はまだ続いています。
今後より優れたモデルが開発されると、編集中に参考となるウェブページの提案や表現の提案が行えるようになるかもしれません。
もし他のサイトでも同様にファクトチェックの体制の整備が進めば、より安心してインターネットを利用できるようになりそうですね。

はつみみこ

はつみみこ

みなさんこんにちは、はつみみこです。 この春からIT系の会社で働き始めました、社会人1年目です。 スマホ周りのことや、ガジェット機器全般について幅広く知識を身に着けていきたいと思っています。 学んだことをブログにまとめて定期的に更新していくので、良かったら見に来ていただけると嬉しいです。 英語の勉強もしたいので、Engadgetの記事からもテーマ探しをしていきます。 みなさんのためになるようなホットな話題や豆知識を書いていけたらと思っています。 これからどうぞよろしくお願いします♪

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みなさんこんにちは!この春からIT系の会社で働き始めた社会人1年目のお勉強ブログです。スマホ周りのことや、ガジェット機器全般について、Endgagetの記事やニュースサイトで日々学んだことをまとめていきます。ちょこちょこ見に来てくださるととっても嬉しいです♪

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